日本語訳はこうやって使おう 自家用操縦士 難易度

FAA筆記試験問題集を見て、何処から手をつければよいか判らないという方が多いと思います。 基本をおさえれば、決して難易度は高くありません。
パイロットを志望する方は、飛行機の構造に大変興味があると思いますので、手始めに航空工学(力学)の問題を 一緒に解いてみましょう。

1.英文を声に出して何度も読む 自家用操縦士 難易度
この訓練を重ねていくと、口述試験の際に英語が自然に出てきますよ。
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H920
PVT
The left turning tendency of an airplane caused by P-factor is the result of the

A) clockwise rotation of the engine and the propeller turning the airplane counter-clockwise.
B) propeller blade descending on the right, producing more thrust than the ascending blade on the left.
C) gyroscopic forces applied to the rotating propeller blades acting 90° in advance of the point the force was applied.


2.日本語訳で確認する 自家用操縦士 難易度
日本語訳は自転車の補助輪と同じで頼りすぎはダメ。意味をつかんだら英文に戻りましょう。
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H920
PVT
Pファクターが原因となって発生する飛行機の左偏向は、なぜ発生するか

A) エンジンとプロペラが時計方向に回転すると、機体は反時計方向に力を受けるため
B) 右側で下降しているプロペラブレードが、左側で上昇しているプロペラブレードよりも 大きい推力を発生するため
C) 回転するプロペラのジャイロ効果により、力が掛かった位置の90°進んだ位置に作用するため


3.選択肢を検証する 自家用操縦士 難易度
正解以外の選択肢も何処が間違っているのかを確実に調べることで自信につながるんです。

A) これは反トルク(Counter torque effect)の説明。反トルクは飛行機のロール軸に作用するのでエルロンで修正する。
B) 正解
C) これはジャイロ歳差運動(Gyroscopic precession)の説明。着陸時の引き起こしで機首を上げたときなどに、ヨーモーメントが発生する。


4.キーワードを見つけよう! 自家用操縦士 難易度
Pファクターに関し、キーワードは次の二つ。
1.レフト・ターニング・テンデンシー(Left turning tendency)
2.ディセンディング・ブレード・プロデューセス・モア・スラスト(Descending blade produces more thrust)

これを記憶し、筆記試験でも、口述試験でもPファクタについて質問されたら呪文のように唱えます。
KISS Principle って知っていますか? KISS は"Keep It Simple, Stupid"の略。要は、理屈を単純化して覚えようということ。
単純化すれば多くの事柄を忘れずに記憶できますし、英語で長々と説明しなくても良くなります。

下記はPファクターの教科書的な説明です。でもこれを英語にして説明しようと思わないでください。
咄嗟のときに言葉が出なくなります。


Pファクターとは
PファクターのPは"プロペラ"のこと。ファクターは"要因"を意味します。
一般的に、米国製の単発レシプロ機は機体を後ろから見て、プロペラが時計回りに回転しています。
単発の飛行機が低速で飛行するとき、左回りのヨーモーメントが発生します。
これによりパイロットは右にラダーを踏んで機首を保持しています。
このヨーモーメント発生の原因のひとつとしてPファクターがあるのです。

飛行機が低速で飛行するためには、迎え角を大きくする必要があります。
この状態でプロペラを観察すると、相対風がプロペラ軸に対して角度を持っているため、
上昇側の翅(左側)よりも下降側の翅(右側)のほうが迎え角が大きく、従って発生する推力も大きくなる といえます。
この推力の不均衡が原因となり、飛行機は機首を左に向けようとします。


学習のポイント
1.工学の問題は日本の参考書、たとえば航空工学入門(日本航空技術協会)などで 学習し理論を身に着けておくと良いでしょう。予備知識があれば、英文で書かれていても容易に理解できます。

2.正解を記憶するだけでなく、他の選択肢についても調べておくと効率的。たとえば、この問題ではPファクター以外に、反トルクや ジャイロの歳差運動についても述べられていますが、いずれも飛行機にとって重要な現象です。

3.専門用語は原文で記憶します。Pファクター、カウンタートルク・エフェクト、ジャイロスコピック・プリセッションなど。 日本語訳で覚えると、口述試験のときに苦労します。


英語について 自家用操縦士 難易度
1.パソコンで英辞郎を立ち上げておき、わからない言葉は コピー・ペーストして調べると効率よく勉強できます。また、ブラウザにGoogle tool Barをインストールし、 マウスオーバー辞書を有効にしておくと辞書を引く手間が省けます。

2.単語だけを記憶するのではなく、"caused by"(○○が原因となって)"result of"(○○の結果で)のように組で覚えておくと 口述試験のときにスラスラと言葉が出て来るはず。

3."Clockwise"(時計回り)という言葉を調べたとき、反対の意味を持つ言葉"Counter Clockwise"も一緒に調べます。さらに "wise"という言葉を理解すると、"Otherwise"という言葉も判るようになり、芋づる式に英語の世界が広がってきます。

4.英語は日本語と同じように、左から右に読み、つまり頭から理解するように心がけると良いでしょう。翻訳しようとすると、 後ろから訳したほうが意味が通りやすいけれども、この癖をつけると英語をいつも翻訳しないと理解できなくなります。