ここでは、FAA自家用操縦士学科試験問題の中から、質問の多い問題を解説しています。
今回は、航空交通管制(ATC)のラーソー・オペレーションについての問題です。
例題
11 PLT444
Who has final authority to accept or decline any land and hold short (LAHSO) clearance?
A) Pilot in command.
B) Air Traffic Controller.
C) Second in command.
着陸後、一旦停止(LAHSO)のクリアランスを承諾するか拒否するかを決める最終的な権限を持つのは機長ですか?航空交通管制官ですか?それとも副操縦士?という質問です。
予備知識
LAHSOとは: 航空交通管制(ATC)の手順の一つで、管制塔のある飛行場において、パイロットの参加が求められる。
ATCはパイロットに対し、着陸後、滑走路同士の交差する場所、滑走路と誘導路の交差する場所、または予め設定された滑走路の地点それぞれの手前で一旦停止することを許可することができる。
LAHSOの目的: 一本の滑走路を、着陸する航空機、滑走路を横切ってタキシングする航空機、または滑走路途中から離陸する航空機などが同時使用することを可能にし、飛行場の混雑緩和を図る。
気象条件:シーリングが最低でも1,000フィート以上あり、視程が3マイル以上あること。
LAHSOクリアランスの拒否: 機長(PIC, Pilot In Command)は、LAHSOクリアランスに従って、利用できる滑走路の距離(ALD, Available Landing Distance)内で、安全に着陸停止できる確信がなければ、これを拒否しなければならない。 機長は、LAHSOを承諾または拒否する最終的、完全な権限を持っている。 パイロットがその飛行場のLAHSOについて理解不足てあったり、学生パイロットであったりする場合は、LAHSOを受諾すべきではない。
(注意) ALDデータは、A/FD(Airport/Facility Directory)出版物の特記事項欄に記載されている。
LAHSOクリアランスを承諾した場合:パイロットはATCから修正クリアランスを受け取らない限りは、従わなければならない。LAHSO承諾後、着陸やり直しが必要となった場合は、他の航空機や車両との安全距離を保ち、出来るだけ速やかにATCに連絡をしなければならない。
ATCがパイロットに対してLAHSOクリアランスを与えたときは、ATCは必ず以下の言葉を復唱しなければならない。
HOLD SHORT OF (RUNWAY/TAXIWAY/POINT)、滑走路、誘導路、または指定ポイントで一時停止しなさい。
まとめ
LHASO プログラムは米国以外の国では認められていません。ちょっと間違えると、大事故を引き起こすからです。通常は、1機の飛行機が着陸するときは、他の航空機は滑走路の外で待機しています。着陸する航空機があるときに、滑走路を横切ったり、滑走路の途中から、離陸のために飛行機が進入するのは、見ていてハラハラします。