ここでは、FAA自家用操縦士学科試験問題の中から、質問の多い問題を解説しています。
今回は、前回に引き続きTAF(Terminal Aerodrome Forecast)の解読です。
図15(下半分)
KOKC 051130Z 0512/0618 14008KT 5SM BR BKN030 TEMPO 0513/0516 1 1/2SM BR
FM051600 18010KT P6SM SKC BECMG 0522/0524 20013G20KT 4SM SHRA OVC020
PROB40 0600/0606 2SM TSRA OVC008CB BECMG 0606/0608 21015KT P6SM SCT040=
解読例
KOKC (ウイルロジャースワールドエアポート) 05日、協定世界時の11時30分発表 05日12時から06日18時まで有効。風向140度、風速08ノット、視程 5マイル。 BR(もや)。 BKN(雲量・隙間あり5/8-7/8)030(雲底高度3,000フィート)。 TEMPO(05日13時から05日16時の間で一時的に) 視程 1.5マイル。 BR(もや)。
05日16時00分以降、風向 180度、風速10ノット。視程 6マイル以上。 SKC(雲量ゼロ) BECMG(変化し維持する) 05日22時から05日24時の間に、風向 200度13ノット、突風最大で20ノット。 視程4マイル、SHRA(しゅう雨性の雨) OVC(雲量・全天を覆う8/8)020(雲底高度2,000フィート)
PROB40(40パーセントの確率で) 06日00時から06日06時、視程 2マイル、TSRA(雷雨) OVC(雲量・全天を覆う8/8)008(雲底高度800フィート)CB (雷雲)。BECMG(変化し維持する) 06日06時から06日08時、 風向210風速15ノット、視程6マイル以上、 SCT(雲量・散在している3/8-4/8)、040(雲底高度4,000フィート)
上記解読例の色付き部分のように、雲のない状態から5日の22時から24時の2時間の間にオーバーキャストの雲量で2,000フィートの雲底高度になると予報されています。
例題の選択肢Bは、
40パーセントの確率で22時から24時のあいだに600フィートのオーバーキャストになる。
選択肢Cは、
200フィートのオーバーキャストが、22時から24時のあいだに400フィートのオーバーキャストになる可能性がある。
解答は選択肢のAで、
予報の22時から24時の区切りの間、2,000フィートのオーバーキャストになる。
まとめ
TAFやMETARなどの気象通報式を解読するためには、たくさんの予備知識が必要ですが、学科試験を受験する段階で、すべての略号を暗記する必要はありません、
大切なのは、このような情報があることを知っていること。どこで情報を得ることが出来るか、また、どのように活用していくかということです。
とりあえずは、学科試験問題の参照例(FAA-CT-8080-2G, Appendix 2, Figure 15)のTAFを解読できるようにしておいてください。