ここでは、FAA自家用操縦士学科試験問題の中から、質問の多い問題を解説しています。
今回は、飛行場標識に関する問題です。
例題
19 . PLT141
A left turn at this intersection would place the aircraft
A) ready for a runway 26 intersection takeoff.
B) on the taxiway leading to runway 26.
C) ready for a runway 8 intersection takeoff.
この標識のある交差点で左折した場合、航空機が位置するのはどこですかという問題です。
解答は(C)の滑走路8途中からの離陸待機状態
解説
上の図は、飛行場の標識の抜粋です。赤地に白文字の標識は、その先に行くためにはATCの許可が必要です。
サンプル標識 ”26-8” は、前方に滑走路26(8)があることを示していて、現在航空機は誘導路上または交差する滑走路上にいます。
下の図は、設問における航空機の現在位置を表しています。(説明のため地図を逆向きにしています)
航空機は今、誘導路G上にいて、前方には滑走路があります。滑走路入り口付近には赤の標識(26-8)が設置されています。
航空機は誘導路Gから滑走路に許可なしに進入してはいけません。
左図は誘導路と滑走路の境界の路面上に設けられたマーキングです。誘導路側は実線、滑走路側は点線で表されていて、誘導路側から許可なしに進入不可、滑走路側からは許可を受けずに退出可能です。
ATCから許可をもらい、誘導路から滑走路に左折して進入すると、航空機は滑走路8の途中に位置することになります。
ちなみにATCは「Cessna 1234A Runway 8 Line Up and Wait」と言ってきます。
パイロットは左折して滑走路に進入して滑走路にアラインし停止します。
結論
飛行場標識で赤地に白文字のものは、(Mandatory Instruction Signs)といって、ATCからの許可を受けなければこの位置から先へ行ってはいけないことを表しています。
飛行場標識で黒地に黄文字のものは、(Information Sign)といって、現在地(滑走路・誘導路)、滑走路の残距離、滑走路・誘導路への方向(矢印があるもの)を表しています。
今回の問題で使用された標識は、ミニチュアの滑走路だと考えればわかりやすいと思います。滑走路を左から右に使用する場合は(26)、右から左に使用する場合は(8)となり、問題では航空機は滑走路を右から左に使用するので、誘導路から左折した時は、滑走路8に進入となります。